先日ご紹介したituwaのドレスデザイナー宇野雄一さんとドレスコーディネーターの森理加さんにインタビューさせていただきました。
マリグラ編集部(以降:編): まず宇野さんにお伺いしたいのですが、「ituwa」というブランド名に込めた思いを教えてください。
宇野氏(以降:U):ituwaのドレスを纏った花嫁はその人の側面や内面の美しさまでもが表現されるゲスト達の逸話になることを願ってつけられました。
編:なるほど。「逸話」からきているのですね。製作過程では「だれが着ても同じイメージにならないような一着にする」ことを大切にされたということでしたが、具体的にはどのような点を工夫されましたか?
U:デザインをしすぎないことに注意しました。例えば、リボン一つとってもお客様に選択肢を残したり、様々なブーケやアクセサリーを合わせて完成できる余白を残すデザインにしました。
編:今度は森さんにお伺いしたいのですが、デザイナーの宇野さんが「余白を残した一着」に仕立てている」とおっしゃっていますが、ドレス選びやスタイリングの際に、自分らしさ=個性を出すポイントがあれば教えてください。
森氏(以降:M):その人らしさやパーソナリティは自然と内側からでてくるものだと思います。ituwaのドレスのように余白があるからこそ、引き出すことが出来、ドレスをまとった時に自然とその人らしいスタイリングになるのではないかと思います。
編:今回写真を拝見させていただいた中で、パッと一見して、「素材にユニークなものを使われている」のがわかったのですが、宇野さん、こういったものを使おう!という発想になったのはどんな経緯だったのでしょうか?
U:日本人は西洋のドレスをデザインすることについて、これから海外で展示会や海外の花嫁にお召しいただく際に、絶対に西洋のデザイナーがデザインできないものを考えた時に日本の素材やテクニックを使ったものだと考え、エッセンスを加えました。
編:一部外国の素材も使っていらっしゃいますが、基本的には国内の伝統的な素材にこだわられていますよね。日本人デザイナーだからこそ、こだわられたデザインのポイントなどがあれば、教えてください。
U:あまりたくさんの縫製を入れることで、せっかくの美しい素材を無駄にしないよう、縫製やカットを最小限におさえるようにデザインしました。また、海外の良い素材も日本の良い素材も同等に扱われても良い素材だという気づきになったら良いなと思って、素材を主人公にして、デザインを最小限にしています。
編:ファーストコレクションで発表されているドレスは12種類、それぞれテイストが違いますね。花嫁さんが試着にいらした際にどのような点を重視し、コーディネーターさんとしてドレス選びのアドバイスをされていますか?
M:12着のドレスは4つのラインに分けられます。
西陣織/京友禅/色彩アート/インポート素材
まずは花嫁さまに、結婚式のイメージや式場を決めたポイント、ドレスへの思い、ドレスに求めることなどをしっかりとお伺いしご一緒にドレスを選んでいきます。ただ似合いそう、というだけではなく当日会場でお召しになったときにトータルで美しく、幸せに過ごしていただけるようにドレスをご提案しています。
編:今回、色を取り入れたドレスも多くありましたよね。お色直し用のカラードレスとしてだけでなく、あえてウェディングドレスとして挙式でも着るのも素敵そうだなと思ったのですが、色を使ったドレスはどのような着用シーンをイメージして作られましたか?
U:お察しの通り、一着目でお召しいただくことを想像していました。花嫁は純白でなければいけないというのは、こんなに多様化した時代に即していないと思っています。
また、結婚をするという選択肢だけが女性の幸せでもなく、お召しになる方のハレの日は、大勢の前で演奏をすることや何かを発表するなど、何か背中を押してくれる自信につながるようなドレスにしたいということもあり、あえて色の入ったドレスをさりげなく入れています。
編:花嫁さんにとって、わかっていてもたくさんのドレスを見ていく中で、だんだん「ドレスが主役」になって選んでしまうこともあるかと思うのですが、その時に何か特別なアドバイスをしていますか?
M:ドレス姿はお写真に残して、結婚式当日だけではなく、ご自身や家族にとってもずっと大切なものとして残るので、デザインだけでなく、そのドレスを初めて見た時や初めて着た時のトキメキやわくわく感を大切にして選んでいただきたいです。
編:ショップのコンセプトとして「ただドレスの試着をするだけの場所ではなく、花嫁様の1番の相談役となり、トータルコーディネートはもちろん、第二のリビングルームのようなプライベートな場所になれることを目指している」とおっしゃっていましたが、実際にご紹介できる花嫁さんとのエピソードがあれば教えてください。
M:花嫁さまに会場を決めた理由やコーディネートのイメージ、好きなものなどをヒアリングし、ドレスだけではなくブーケや会場コーディネート、新郎さまの衣装のイメージをご提案しました。時にはサロンにあるアートフラワーを使ってその場で簡単なブーケを作ってドレスに合わせたりして、より当日のイメージが湧くようにしていただいています。その方にあったご提案がとても喜んでいただけました。
編:最後にお二人から花嫁さんにメッセージがあれば、ぜひ。
U&M:まだはじまったばかりのブランドですが、
【ituwa】ショップ情報
東京 東日本橋の小さなアトリエサロン
OPEN:毎週木・金・土 11:00-/14:00-/17:00-
試着予約はwebsiteからhttps://ituwadress.com
Instagram: @ituwagram